6月25日ー27日の3日間で第三回木造ワークショップを行いました。
今回のテーマは「木造シェル」。木のしなやかさを活かし、曲面を繋ぎ合わせることで互いの部材が締め付け合い安定する構造を目指しました。
前日にW杯日本代表戦があったこともあり、みんなかなり眠そうでしたが、眠気に耐えながらたくさんの案を作りました。
二日目は、前日に提案された架構の中から新たな木造シェル構造として可能性のありそうなものをいくつかピックアップして構造や施工方法を検討し、作品の完成度を高めていきました。
貝殻をモチーフに滑らかな曲面構造体を検討したグループA。M2の三人とイケメン。
厚紙の模型では物足りず、薄い杉板材で制作しようとするが途中で部材が破断。やはり応力が大きくなると施工が難しいですね。
相互依存で成り立つ網かごのような架構を検討したグループB。主に施工方法と部材の継ぎ方について考えました。このグループには末廣先生も加わり、ひたすらバルサを編み続けました。
縦材と横材を編むことでできる四角形ユニットについて検討したグループC。単純なユニットの組み合わせを如何に発展させるかが主題となりました。
このグループには陽気なインドネシアンも参加しました。
終盤は鼻唄の歌い過ぎで疲れて寝ちゃってましたが。
三日目は最終講評会。ゲストクリティークとして末廣宣子さんにも参加していただきました。
グループA。螺旋状に配置した板材を1点に集め、テンションを加えることで安定する架構。円形に完結させずに螺旋状としたことで入口は確保できたものの、全体のバランスが崩れてしまったために、いくつかの問題が。
それと、やはり中心のおさめ方はかなり難しい。
グループB。三角形と六角形の幾何学的な組み合わせによる曲面構造体で、相互依存で安定する三角形のユニットを基本としている。床も同じ手法で制作可能。
大規模建築にも応用できる可能性があるが、ユニットの接合方法や足元のおさめ方などに課題が残る。
グループC。平面状態で櫛状のユニットをいくつか連結し、足元にテンションを加えることでアーチを描き安定する架構。
部材間隔が伸縮して形状が変わる点や実現性の高さは魅力的であるが、折り畳み方や奥行き方向への連結方法などに課題が。
今回で三回目のワークショップですが、昨年、一昨年と比較して、より建築的に応用可能な提案がされた点は良かったと思います。まだ、課題は多く残っていますが、これから研究を進める中で改善していければと思います。それでは、また何か進展がありましたらご報告します。